書き出しで読み手に対してインパクトを与える方法の例を二つあげました。
その一つ目、 この本を読もうとした理由で、わざと読み手の期待を裏切るとは、例えばこのような書き出しです。
「永遠に捨てない服とは、どんなものだろう。」ぼくは、ぎ問に思ってこの本を読んだ。この本を読む前は、地球温暖化のことなんか何も考えずに生活していた。それに地球温暖化がどんなものか知らなかったので、ゴミもたくさん出してしまったし、節電なんかしていなかった。
恵那市読書感想文コンクール 平成25年度、書名「永遠に捨てない服が着たい」
読んだ本は地球温暖化が中心テーマです。賛否や対立がある社会的なテーマのため、もともとこの分野に関心がある人が読み、共感を述べるという展開を読み手は想像します。
ところが、この分野にあまり興味がない人が読む、そして中心テーマとは真逆の生活をしていた自分を書くので、読み手を裏切りインパクトを与えています。
二つ目、本を読んだ後に深く考えさせられたことを、わざと冒頭に持ってくるとは、例えばこのような書き出しです。
「時間」とは何だろうか。何のためにあるのだろうか。そして、私たちは「時間」を有意義に使えているだろうか。 「モモ」は時間を持て余した休校期間中に改めて読んだ一冊だ。
八王子市読書感想文コンクール 中学生の部 令和2年度、書名「モモ」
「モモ」を読んだことがある人に対しては、本の中心テーマについて問題提起を行い、記憶を呼び覚まします。
一方、「モモ」の内容を全く知らない人には、本の中心テーマに関するキーワードを羅列して、いったいどういう意味だろう?読んでみたい、という渇望感を与えています。
→読書感想文の書き方に戻る