入選作品の自分の変容例 | 国語教科書の素材辞典

入選作品の自分の変容例

本を読んだことをきっかけとした自分の変容を書く方法を三つあげました。

悩みについてとは、例えばこのような自分の変容です。

 現在私は十四歳。...中学三年生の今はちょうど進路選択の時期だ。(中略)...自分を見失った。何度も逃げたくなった。そんな時にこの爺さん [注: 本の主人公] に出会ったのだ。
 (中略)
これからの長い人生、私は自分で選んだ道をゴールまで、真直に歩み続けることを決心した。

新宿区読書感想文コンクール 2022年度、書名「夢十夜」

自分の変容のネタとして、今の進路選択でうろたえる悩みを取り上げます。

そんな時、主人公が話した言葉が進むべき道を照らします。そして、私も主人公のようにうろたえず、ただ真直に歩み続けるだけだ、との決心を書きます。

自分の変容を書く時も、必要なところには登場人物の行動やセリフ、作者の主張を差し込みましょう。

新たな気づきについてとは、例えばこのような自分の変容です。

この物語は、象を飲み込んだウワバミの絵から始まる。(中略)...読み終えてみると、この書き出しの話が「かんじんな(大切な)ことは目には見えない。」というメッセージにつながっていることがわかる。
(中略)
目に見えない大切なものがあることを忘れないでいたい。誰かが自分に対して使ってくれた「時間」や「思い」を感じとれる人間になりたい。

八王子市読書感想文コンクール 平成30年度、書名「星の王子さま」

自分の変容のネタとして、本を読み終えて得た新たな気づきを取り上げます。

本の根底にあるテーマは、初めから目の前にあったが自分は気づけなかった。しかし、読み終えたらわかったと書いています。

気づいて、単に本のテーマや登場人物をほめ称えるだけでなく、本のテーマを具体的に自分の成長の糧にしたいと書いています。

共感についてとは、例えばこのような自分の変容です。

彼女は最後まで自分らしく、強く生きぬいたと私は思います。山内桜良はとても明るく、天真爛漫で何より自分らしさを忘れない、とても素敵な人だと思います。自分が病気で辛い時も、決して弱音を吐くことはありませんでした。私も自分らしく、強く生きたいです。私にとって山内桜良は憧れです。

八王子市読書感想文コンクール 平成29年度、書名「君の膵臓をたべたい」

自分の変容のネタとして、本の登場人物への共感やあこがれを取り上げます。

気付きと似ていますが、登場人物に感情移入し彼/彼女の生き方に共感することです。つまり、自分の目指したいお手本を本の中に見つけた、というストーリーです。

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